電源の問題・・・パソコン

Mさんへ
起動時にピー音の連続が20回とか鳴り
パソコンの電源が落ちる場合は電源トラブルです。
デスクトップの場合電源部は空気をフアンで
常時取り込んでいます、しかも机の下などに置いていると
埃を吸い込みやすいので最低5年に一度は埃除去のメンテが
必要です。空気が乾燥しているアメリカでも地下や雨の多いとき
空気中の湿気が電源内部の基盤に付着した埃に着くと
ショートして火を噴く場合があります。
 黒いボックスが電源です。 
取り外します。

 マザーボード、DVDドライブやHDD、からケーブルを外します。
接続が判りにくい時は外す前に写真を・・・・
電源のケースカバーを外し、写真のようなエアスプレーか
コンプレッサーの圧縮空気で埃を吹き飛ばします。
最近の掃除機は噴出し口が無いです。ブラシは使わないで・・・・。
ショートの原因を作る恐れがあります。
 ついでにマザーボードの埃も一掃したらいいです。
基盤に積もった埃はショートの原因です。
ピー音はショートの警告と思ってください。
分解掃除で正常に起動するでしょう。パソコンショップへ持ち込むと
100ドルくらいは掛かるでしょう。
エアースプレーはDIYで10ドルくらい。
これくらいは自分でできることでしょう。

Mさんへ プリのメンテ 自分でやれること

プリアンプのメンテナンスは5年に1回は必要かと・・
特に初段管のソケットを浮かせている防振ゴムは換える必要が。
緩やかに変化(劣化)していると音を聞いていても
気付きにくいですが・・・
プリアンプの初段の「6AU6」と「E-180F」は
ゴムが硬化してしまうとシャーシに伝わったスピーカーからの
振動を受けて直接真空管に震度が伝わり
特に低音がぼけてしまいます。
ゴムを交換したらその違いがはっきりわかります。
シャーシーを叩くとスピーカーから叩く音が出ます。
マイクロフォニックノイズ」でしょう。
初段球の振動対策が出来ていれば音は聞こえない筈です。
防振ゴムはヤフオクでたまに見かけますが買う必要はなく
自作で充分です。
劣化は速いとは思いますがスポンジゴム(DIYの店)
を切り取り自作しています。プレイヤーのモーターにも使いますので
一緒に交換しています。
写真矢印の箇所です。5年ぐらいに一度の交換は必須です。
底蓋を外す必要がありますのでかなり面倒です。
注意が必要な事は電源コードを抜いてもコンデンサーに電気が残っていますので
放電しないとむき出しの配線に触れると感電します。




 プリのボリュームはガリガリ音が出たら分解掃除で
赤矢印の接点を磨く。

 これらのメンテは素人でもやれる最低必要なことです。

アイドラーゴムの研磨

Mさんへ
 アイドラーの研磨、仕上げはほぼレコードが聴ける状態にできました。
途中ゴムの材質が、とか積層の工法が良くないのではと
論議されましたが、結局研磨しだいでした。
ガレージ工房で出来ることが解りました。
研磨の道具は自作です。ヤスリは500番ぐらいの目の
爪切りについている金属のヤスリと1000番の耐水サンドペーパーです。
ゴムが楕円や突起がある場合
ヤスリを軽く当てると出ている部分が擦れる音がします。
その音を聞いていると削られると音が小さく、次第には聞こえなくなります。
次にまたヤスリを少し当てる・・・・この繰り返しで
ゴムのアイドラーは限りなく真円に近づいていきます。
根気良く少しづつ・・・
金属のヤスリとゴムですから、削れるのは微々たるものでも
時間さえ掛ければ必ず真円になっていきます。
ゴムを液体窒素などで冷凍して研磨する必要など全く無いことがわかりました。
私のプレイヤーのモーターは50年ほど前のものですが
業務用ですからトルクが強く少々付加を掛けても回転は止まりません。
プーリーの78回転を利用して回しながらヤスリを掛けました。





Mさんへ、モーターの分解

Mさんへ
 日本はやっと紅葉の季節です。
 鹿児島はそもそも自生している紅葉する木は
 櫨ぐらいです。楓もありますが日本の東北に比べたら
 ほんのわずかです。
 10月のペンシルバニアからケベックにかけての北米大陸東海岸の
 紅葉は忘れられません。すでに冬枯れの風景でしょう、その季節の
 景色もいいです。そのスケール感は日本では味わえません。
 今年の8月あのオーデオショップの永野さんは83歳で亡くなられました。
 自分で作ったアンプの修理にアメリカまで行く人は、そういないでしょう。
 10年前私の家へ訪ねてこられたとき「いやー、私が行かなきゃ修理を任せられる
 人がいないといわれればしょうがないんですよ・・」と嬉しそうに話された時の
 顔を思い出します。
http://blog.livedoor.jp/audio_tom/archives/cat_1096676.html
 永野さんの人生も波乱万丈でした。
 生まれが神戸の貿易商で裕福な育ちのせいか、その考え方、哲学や美意識
 価値観は垢抜けされていたように思えました。
 でも鹿児島の田舎の風土には馴染めなかったとも見えていました。
 寺の坊さんと話しましたが「あの方の価値観を理解する人は少なかった」
 と・・・。
 最近市内のオーデオショップ(メーカーのオーデオだけ置いてある)
 に立ち寄ると見慣れたプリアンプが床の隅に置いてあったので、
 「これ永野さんのアンプでしょう、故障したのですか?」と
 店長に尋ねると「そうですよ、修理依頼で持ち込みです、
 40年前のもので修理は出来ません、いいアンプがあると
 話しているところです。」と、::こんな古いものを・・・と
 言いたげでした。 私にはショックでした。
 音が出なくなり、どうしようと狼狽、落胆している人の気持ちが
 分かるからです。私もそういう不安を抱えています、が、
 永野さんは民生用と業務用はそもそも材質が違うので私の使う部品は
 50年でも大丈夫です、と
 故障といっても真空管やオイルコンデンサーは寿命がありますので
 それを換えさえすればいいだけです。と豪語していました。
 私の場合35年になりますが、6550が一回切れただけで、
 毎日電源入れていますが、問題は起きていません。
 真空管は秋葉原の真空管専門店で一通り買ってストックしています。
 
 これも永野さんの予言とおりで
 メールでアイドラーの話していますが
 まだ解決していません。
 製作を依頼しているのですが
 ワウフラッターについて自分でもできることをと
 モーターを分解してみました。
 オーデオショップの広告ではオイルやグリスの劣化で硬化してワウフラッターなど
 の原因になるからメンテナンスが必要と、そしてオーバーホール費用代が
 表示してあります。ので気がかりで・・・永野さんは「構造がシンプルなので
 油さえ注せば故障などしません。」と言っていました。

  



分解した結果は永野さんの言っていたとおりでした。
 オーバーホールの必要な箇所はありませんでした。
 昭和55年製造とあります。1980年、38年前です。
 局用の放出品と聞いていましたが新品を取り付けてくれていました。
 放送局は10年サイクルで部品や機械を入れ替えるので
 そのお下がり、と聞いていましたので1970年だろうと思っていました。

 民生用は何でも10年で壊れるように作られています。
 こんな長持ちする良い機械が作れるのに・・・・
 日本製は・・・
 永野さんの冥福を祈ります。
 









アイドラー再生について

問題になる点、もしアイドラー(ドーナッツ状のゴム)真円が作れなかったら・・


わずかな楕円が音に現れるワウフラッター。
円の削りだし(研磨)でゴムの円が真円にならなかったら。。。

アイドラー式レコードプレイヤー、アイドラー再生の限界

アイドラーを調べましたが、なかなか入手は難しく、継続使用を諦める人も
少なくないのでは・・。
EMTやガラード向けは一般向けに販売されていたので社外品でもよく見かけます。
しかし業務用(放送局向け)はニーズも少ないためか見かけません。
自作することを考えました。
ゴムを積層して近い形状を作ることまでは
さほど難しくないのですが
一番の問題は正円に削る、研磨する最終的な仕上げです。
これはしっかりしたボール盤は最低必要で、
出来れば旋盤が・・。
弾力性のあるゴムの研磨は、微細な凹みがあれば
凹みのある形状のまま削られていくので
なかなか平滑な円は出しにくいです。
ゴム加工の専門業の人はそれなりに技術や道具があるでしょうけど・・・。




DYIの店で販売しているさまざまな形状のゴムは
目がやや粗いですが きれいな円が作れると
まあまあ使えます。
研磨してルーペで見れば粒子が見えます。気泡もあります・・。
それらがワウフラッターの原因にもなります。
粒子や気泡が表面にありプーリーと接触すると音はブレます。
ゴムによっては研磨にも限界があります。

※拡大すると・・・・
写真左が復版アイドラー右がオリジナル。
ゴムは弾力性があり柔らかいので性質が粘土ににているところがあります。
成型する段階では流動性があり 
△型に流し込んで成型、
△状況では気泡が入り込みます。
△型から外した段階では見えません。
△オリジナルでは気泡が入っていません。
△オリジナルは研磨しても気泡や異物は出てきません。
△復刻版は研磨すると微細な間隙(気泡の痕)や異物が現れます。
・・・これがワウフラッターの原因になります。
▲陶芸家ですので体験的に分かるのですが
 轆轤で茶碗を作る時、粘土の中に微細(米粒の半分以下)な 
 石(砂粒),気泡が入っていると、それが表面近くにあれば
 粘土と砂粒の圧力差の違いを指先で感じます。
 すると形を崩そうという力が働きます。
もし、これが弾力性のあるゴム製アイドラーをプーリーに圧着させて
回転していると その硬度差は回転の滑らかさに影響を及ぼすでしょう。
想像するには難くありません。

だた拡大すればその違い、差は出てきますが
普通に音楽を聴いて楽しむ分には問題はありません。

※欲張って、もっと良くしようと研磨を掛けると
 異物や気泡痕が表面に現れるとまずいことになります。
 どこかでか妥協が必要です。
ま、これくらいはいいか・・・という境目が。

△ 復刻版に使うゴムを市販の天然ゴム板に比べて
 異物や気泡痕の少ない半透明のシリコンゴムを使えば
 もっと良くなるかも知れません。 あくまで想像ですが。

△ M氏製作の再生アイドラー完璧な復刻ではないですが  
  いまのところ音楽を聴くのには まったく問題はありません。
  参考まで・・・・
△ 天然ゴムで振動や衝撃を吸収する素材として考えると
  中に気泡痕の間隙があったほうがクッション性は高まると
  思いますので 
  何に使うゴムかで密度や精製の度合いは違いがあるでしょう。

△ クラシックでピアノソナタの静かな曲を聴く以外では
  この復刻アイドラーでは問題なくレコードが聴けます。
  ジャズで音のブレを探すなんて不可能です。
  

リムドライブ型プレイヤーのレストアについては私の友人からおもしろい話を聞きました。 彼もまたビンテージオーディオに関わっている人間なのですが彼の言う所によると、アメリカではこのような修理にたずさわる人間を社会的失格者とみなすそうです。 お金を儲け、お金をもつ事が社会的成功の証しである国で、お金にならない儲けにならない事にせっせと励む人間はその時点で社会から相手にされないそうです。 これにならえば国内の技術にたずさわる人間のほとんどは、社会的失格者という事になります。 しかし国内のビンテージオーディオにたずさわる人間は、アナログ機器を文化財として保持する気構えがなければアナログの未来は無いと思えます。 これからのアナログは正しい情報の開示と人と人とのつながりにより行われる事を望みます。
ガレージメーカーがオリジナルにまさる物を作るのは並大抵の事ではありません。彼らが試みた事をオリジナル開発者が試みなかったはずはありません。 プロフェッショナルの彼らが日夜、研究を行い長期の使用にも耐えている製品となっているわけで、ですからユーザーは正しい情報の認識を求められています


現在、国内のオーディオアナログマニアの間でのアイドラードライブタイプのレコードプレイヤーの人気は根づよく、SN比などが優秀なスペックを持つ新発売のDDモーターやベルトドライブ式が市場に出まわれっているのに、わざわざアイドラータイプを求める方がおられるのは,音にたいするこだわりの表れだと感じます。
しかし現状は、どうにもこうにもこんな事があってもいいのかと思うことが多いのです。
限りなくあやしい情報や品物が見受けられます。 ヴィンテージオーディオはあやしげな伝説で組み上げられた砂上の楼閣の如きであります。 ユーザーの方々もうすうす気付かれている事でしょう。 それに気付かないのは、それを行っている人たちだけかも知れません。 嘘がばれないためには嘘をつき続けるしか無いのです。
アイドラー型は発売からかなりの年月を経過しているため交換パーツのデッドストックをみつけるがむつかしく、かわりに代替品を使用しなければなりません。 しかしこの場合あくまでオリジナルに準じたものでなければ意味がないのです。 
改造型等と称して自社開発している部品を自画自賛して、オリジナルより数段良いとか、オリジナルのものはこれにくらべたらお話しにならない等々、あまり感心しない広告が多く、オリジナルの欠点をひきあいに出すのが常套手段なのです。 
いわくリムドライブなのでゴロがでる、モーターの振動が大きい、SN比がわるい等、リムドライブメカニズムから推し量ると、すぐにわかるおかしな理屈です。 一番に理屈の合わない事は、リムドライブのゴロがでるという現象です。はたして使用しているアイドラーは正常なオリジナル品であるか、きちんと調整クリーニングをなされているのか、又、リムドライブだからゴロは仕方ないなどです。
現在、マニア一番の人気と思われるEMT927(あくまで良品)などは、モーターゴロが出るでしょうか? 私のレストアしたダブルアイドラー型レコカットは、EMTよりもっと前のSP時代のきわめて原始的な機構をもったものですが、ゴロなどは聴覚上感知する事はできません。 自社開発した製品を売るためにオリジナルをけなす事は好ましくありません。 まずゴロが出ることなどは、当時の高級プレイヤーでは考えられず、アイドラーの不調以外の原因があるとしたら、ただきちんとした調整修理をしていないだけでしょう。 次にモーターの振動の大きさの問題ですが、モーターのレストア、特にスピンドルシャフトの研磨と調整、エージング等には根気と技術が必要です。 それぞれのモーターの性格をよく見極め、最良の状態までトライを繰り返す良心です。 いいかげんに組みあげられたものには、いいかげんな音しか出てきません。 そしてSN比、よくアイドラードライブ型はノイズ成分がハーモニクスと関係しており、音楽性をゆたかに再現すると言われています。 これはある意味では正しく、ある意味では間違っています。 SN比の面からみればノイズは無い方がいいですが、問題はそのノイズの性質なのです。 実にSN比の問題はプレイヤー本体だけでなくシャシー、キャビネットからの外乱ノイズとのかね合いがあり単純に表現出来ません。 SN比だけでは新発売される現行機のほうが断然優れているのは明らかです。小型のモーターで重いプラッターを回し大質量、かぎりなく振動しないキャビネットに据えられた新型プレーヤーです。 しかしこのように作られたプレイヤーがあまりにも静かで不自然なほどの静寂間を感じる事が多々あります。 
リムドライブ型を使用される方々はこの部分でリムドライブ型に人間的なあたたかさを求められるのだと思います。


手作りのアイドラー

MさんPrinceton)へ
ネット上で調べたのですが オーデオショップが製作するでもなく
ゴムの加工、研磨の専門の町工場に委託するのでしょうが
特注製作といことで結構な値段がします。
それでも入手できればいい方です。
私の場合プレイヤーが製造されて50年経ちますし
アイドラーも未使用だといっても経年劣化は避けられず、ある程度
表面の硬化は見られます。
モーターのゴロゴロした音は拾ってしまいます。
自分でもゴムを積層して円形にカット、研磨してみましたが
問題は外周が完全な円でないといけないことで
回転軸がブレないいいボール盤でも出来なくはないですが
もっといいのは旋盤で研磨することで、
結局その旋盤を持っていて研磨する人が見つかり依頼しました。
 上の写真、右がオリジナルで左がゴムを取り替えたものです。
本来はアイドラーは3個ですが、一つだけにしました。33回転さえあればいいです。
45、78は使いませんので。


ゴムが新しく弾力があるのでモーターのゴロ音は出ません。静かです。
ワウフラッターは殆ど気にならない程度です。
ヘッドホーンで聴くようなら気にする人もいるでしょう。
音がブレるか、ピアノの余韻の音で調べるならともかく、
普通に聴く分には問題はありません。
一応デートリッヒ・フィッシャーデスカウの「冬の旅」ジェラルド・ムーアの
ピアノ、とグールドのモーツアルトのピアノソナタ11番を一応出来具合を確かめるために聴きましたが、良く出来ていると思います。
もっとも、最初は造作がやや荒いのと、回転軸の芯がきちっと決まっていなかったと思われ実際プレイヤーで回してみるときれいな回転になっていませんでした。
もちろん音はぶれました。
もう一度正確に真円を出し、外周は極力平滑な面をと再度お願いして
研磨しなおしてもらった結果が添付の動画です。
大阪や東京で下町の町工場へ行けるようでしたら また見つけられるかもしれません。
旋盤を買おうかとも考えましたが、これひとつあれば10年は使えますので
止めました。掛かった費用は8000円でした。

ストロボスコープでチェックしながら
動きを気にする人にはお薦めしませんが
私のアルテックのスタジオモニターでは
モーターの音も聞こえません、ワウフラッターも
気になるほどではありません。