オイルダンプ式トーンアームのシリコングリス交換


 
シリコングリース(腕時計の防水にも使われている)

シリコングリースも定期的交換対象
針圧は3g よりやや重めがいい。




 

ターンテーブル ゴロ音対策

Mさんへ

、ターンテーブルの銅板についてです。

私達のプレイヤーはアイドラー式で

DD式や糸ドライブに比べるとモーターの回転音(ゴロ音)が
ターンテーブルに伝わっているのは必至です。
このためにゴムアイドラーの弾力性は求められます

モーターの音(ゴロ)対策で銅板の下に衝撃吸収用ゴムシートを
小さく切って両面テープを使ってアルミ回転テーブルに貼り付け
その上に銅板を置いています。これは是非試してください。
DD式や糸ドライブのレコードプレイヤーには銅板そのものが乗せられませんので
注意下さい。参考まで。

プーリーの修正

Mさんへ

AmzonaMusicHD配信のベートーベン交響曲第6番(カール・ベーム指揮ウイーンフィル)をレコードと音の違いを比べてみようとしたところ プレイヤーの回転スピードが遅い事に気づきました。 正確だと 33、1/3 回転の筈ですが32、3/4でした。演奏時間にして1楽章のレコードに記載してある時間が12分08秒、実際は12分25秒・・・。原因はモーターかプーリーかどちらか。モーターは分解掃除、注油しましたが、見た目では判りません。一応問題はないという前提でプーリーが摩耗細くなっていると疑ってみて これを修正することに。旋盤を持っている人に依頼しました。

演奏時間の違い745秒/728秒=1.02、849/830=1.02ですので例えば5mmの太さですと5.1mmにすれば良い計算になりますが届いたものの33 1/3の太さを正確に計測して対処します。33回転の径は5.2mmでした。計算上は5.3mmにすれば良いはずですがほんの僅か太めにしておきました。

△私のプレイヤーは33、45、78の3段階で、45,78か使わないので中段を33回転用に作り替えてもらいました。アードラーも中段に装着すればいいだけで、一番簡単な方法をとりました。

結果は殆ど33・1/3回転で、細かく言うと33・1/2までは行かないところです。計算通りに行くのか多少不安でしたが この様に正確でした。回転が遅くなっていたからと言っても2つを同時に比較しないと判らない程度ではありましたが、狂っていると判れば気になるもので修正しました。


    修正前と修正後のプーリーです

 
40年近く使い続けていましたので金属とゴムが圧着して回転しているだけですがこのように磨耗するものなんですね。驚きました。

△ モーターの回転数調整は純機械式で電子式ではないのでその時代の機械には補正機能は備わっていないです。
 周波数同期モーターですからその回転数が変わることは基本的にはないと思います。
 参考までですが、正確に判断するには回転計という測定器で光を当てて測定する事です モーターシャフトとターンテーブル外周に反射板を貼ればモーター側か、プーリー側か特定できます。

※参考まで、アナログレコードとCDやネット配信の音との比較ですが、
 レコードからCD化した物は、演奏時間が若干違って来ます。
 CDの盤面からのデジタル信号は三本の線でデジタル/アナログ変換
に送られます。
①L、Rの信号は一本の線で交互に送られます。
②L、Rの信号を切り替えの為のクロック信号。
③デジタル送信側とD/A変換と同期をとる為のマスタークロック信号。
 クロック信号は水晶発振器で作るのですが、計算上のピッタリとした
 周波数を、造れないので、切り上げ、もしくは、切り下げた周波数
にしますので、レコードとは再生時間が違う場合が有ります。
クロック信号は綺麗な方形波にしなければ、ならないので、コスト
> の掛かる部位でも有ります。 ・・・・ということだそうです。


アイドラー式レコードプレイヤーは定期的なメンテナンスが必要ですね。
7年前亡くなられたこの再生装置の制作者のNさんも言っていました。
「メンテナンスが必須なのはアンプよりレコードプレイヤーです。
 モーターにしてもゴムアイドラーも常時高速で回転していますし
 劣化がありますのでメンテナンスが必要です。こういうことを面倒くさがらす
 まめにする人でないとお勧めしません。 アイドラーは新しいものはもう入手できません   
 が、この日本中捜せばどこかに作れる人は見つかります。」と言ったことを思い出し
 ま。・・・そして探し出しました。ネットで捜しましたが、ドイツでもこういオーデオ用 のパーツつくる人や会社見つけています。アメリカでも見つかるでしょう。EMTやガラードを使っている人は日本よりも多いのではないでしょうか。エジソン以来オーデオの原点の国ですから。