見直されているレコード

・・・そうですか・・
パリでも中古レコード店は何件か覗いてみましたが
15ユーロとか20ユーロが一枚の値段で
アメリカのような安さはありませんでしたし
ブームというような雰囲気でも無いでした。
ビートルーズやエデットピアフのレコードが
目立つ場所に飾ってある印象があります。





※ウディアレン監督の映画「ミッドナイトインパリ」に出てくる中古レコード店の場所は
クリニアンクールの一角です。ただあの場所にはそんな店はありませんが
  クリニアンクールの別な場所には中古レコード店が数件入ったモールがあります。
この写真の近くをロケに使っていると思います。


アメリカでアナログレコードがブームだとしたら
1枚1ドルという安さもあるのでは・・
1970年代日本でレコードは1枚2000~2500円(廉価盤として1000、1500円
というのはありましたが)500円はありませんでした。
同じ頃のアメリカでは500円は普通でしたから、やはり当時からアメリカは安いでした。

CDよりアナログレコードは音がいいかは
感じ方は人それぞれだと思います。 どちらも長所短所があると思います。

70年代CDが世の中に出始めるころオーデオ雑誌に是非論が良く取り上げられました。
良く覚えています。CD推進派の主な主張は
非接触型(レコードは針と盤が接触しているに比べて)なのでノイズの無いきれいな
音が得られる。擦る音はゼロ。
プレイヤーの性能による音の質の違いはCDは少ないので
コストパフォーマンスに優れている。等々。
音に関してはCDはいいことばかりでしたが
問題視されたのは著作権の件でした。クローンが簡単に作れることです。
レコードはコピーをすれは(当時は磁気テープ)必ず劣化するので
完全なコピーにはなりませんでしたが、CDになれば一般の家庭でも誰でも簡単な装置で
完全なコピーが出来るので著作権が侵害されるというものでした。
CDは音を記号化する過程で音の周波数を20~20000ヘルツに限定
前後はカットするという理由にこの数字が人間の可聴範囲だと説明していました。
これ以上もこれ以下の周波数も人間の耳では聴き取れないので
カットしても構わない。・・・と

△レコードの再生装置を20万円かけたとすれば
  CDでそのレベルの音質を再生するのに掛かる費用は4分の1以下で済む。
 コストパフォーマンスに優れている。
△プレイヤーが非接触型なので場所を選ばす持ち運びが出来る利点。
△レコードに比べてCDは盤が小さく場所をとらないし軽い。
  流通させやすい。
△レコードは針が折れたり劣化する、
  レコード盤自体も傷が付くが CDはこれが無い。
  CDの傷は擦り傷は消せますがレコードは消せません。
  ノイズになって再生音に付きまといます。
 
CDは手軽に音楽をいい音で しかも安価で楽しめるようになるので
音楽の普及に貢献できる、でした。

・・・今やCDもなくなりつつあり、メモリーにデーターとして1センチ角の
 スペーに数千曲収まっているのですから・便利ではあります。
 CDは保存性については限界があるとは当時から言われていました。
 つまりCDは永久保存は向かないと。盤の経年劣化です。

私は音楽を普通に気軽に聴くならCDがいいと思います。
レコードの方が音がいい、と言っても
レコードを手にして音が聴けるわけではありません。、
いい音で聴くには それなりの装置に掛ける必要が・・。

私がレコードがいいと思う点は 20~20000ヘルツ 以外は
可聴範囲を超えているのでカットしても音には関係しないと云われていましたが
理論的には正しい主張でしょうね・・・
違いを比較してみた事がないので何とも言えません。
水の味に例えれば 蒸留水がCDで岩清水がレコードでしょうかね。
それぞれ一長一短があるので両方聴きますが
好んで聴くのは圧倒的にレコードです。

レコードには演奏の音以外に様々な音、ノイズ、本来無い筈の音が録音されいます。
例えば下の2枚では、
ジョンルイスのTHE JOHN LEWIS PIANO(Atlantic)の
B面 TWO LYRIC PIECE の中に スタジオに入り込んだコオロギ(たぶん)
の鳴き声がけっこう長い時間入っています。
グリーグのペールギュント組曲(演奏がロンドンシンフォニィ)は冒頭2分あたり
録音したホールの下を走っているらしき地下鉄の音が ゴトゴトと遠くからやってきて
通り過ぎる音がはっきり聞き取れます。
上空を飛んでいるレシプロエンジンの飛行機の音
車のエンジン音、クラックションの音なんぞけっこう入っています。
もっともこれらはCDでも聞こえるのではと思いますが。 
ただ地下鉄の音は低音がしっかり再生されていないと聴き取れないかもしれません。