手作りのアイドラー

MさんPrinceton)へ
ネット上で調べたのですが オーデオショップが製作するでもなく
ゴムの加工、研磨の専門の町工場に委託するのでしょうが
特注製作といことで結構な値段がします。
それでも入手できればいい方です。
私の場合プレイヤーが製造されて50年経ちますし
アイドラーも未使用だといっても経年劣化は避けられず、ある程度
表面の硬化は見られます。
モーターのゴロゴロした音は拾ってしまいます。
自分でもゴムを積層して円形にカット、研磨してみましたが
問題は外周が完全な円でないといけないことで
回転軸がブレないいいボール盤でも出来なくはないですが
もっといいのは旋盤で研磨することで、
結局その旋盤を持っていて研磨する人が見つかり依頼しました。
 上の写真、右がオリジナルで左がゴムを取り替えたものです。
本来はアイドラーは3個ですが、一つだけにしました。33回転さえあればいいです。
45、78は使いませんので。


ゴムが新しく弾力があるのでモーターのゴロ音は出ません。静かです。
ワウフラッターは殆ど気にならない程度です。
ヘッドホーンで聴くようなら気にする人もいるでしょう。
音がブレるか、ピアノの余韻の音で調べるならともかく、
普通に聴く分には問題はありません。
一応デートリッヒ・フィッシャーデスカウの「冬の旅」ジェラルド・ムーアの
ピアノ、とグールドのモーツアルトのピアノソナタ11番を一応出来具合を確かめるために聴きましたが、良く出来ていると思います。
もっとも、最初は造作がやや荒いのと、回転軸の芯がきちっと決まっていなかったと思われ実際プレイヤーで回してみるときれいな回転になっていませんでした。
もちろん音はぶれました。
もう一度正確に真円を出し、外周は極力平滑な面をと再度お願いして
研磨しなおしてもらった結果が添付の動画です。
大阪や東京で下町の町工場へ行けるようでしたら また見つけられるかもしれません。
旋盤を買おうかとも考えましたが、これひとつあれば10年は使えますので
止めました。掛かった費用は8000円でした。

ストロボスコープでチェックしながら
動きを気にする人にはお薦めしませんが
私のアルテックのスタジオモニターでは
モーターの音も聞こえません、ワウフラッターも
気になるほどではありません。